沖縄の海をきれいに楽しむために。サンゴ礁を守る家族の海遊びマナー
沖縄の海でSUPやシュノーケリングをすると、浅い場所でも魚やサンゴ、きれいな砂地に出会うことがあります。その景色を楽しむ時に大切なのが、海に「入る前」の少しの準備です。環境省のサンゴ礁保全情報では、サンゴ礁は多様な生きもののすみかであり、観光や漁業、波から陸地を守る役割にも関わる大切な存在とされています。家族で海を楽しみながら、海を傷つけないための具体的なマナーをまとめました。
サンゴ礁は、きれいな景色以上の存在
サンゴ礁は、魚やナマコ、貝類など多くの生きものが集まる場所です。環境省は、サンゴ礁が熱帯雨林に匹敵するほど複雑で豊かな生態系を織りなしていると説明しています。さらに、漁業や観光の資源としても有用で、成長したサンゴ礁は陸地を波から守る役割もあります。
観光で訪れる私たちにとっては「きれいな海」ですが、そこは生きものの暮らしの場所でもあります。だから、海遊びでは「見せてもらっている」という気持ちを持つだけで、動き方がやさしくなります。
データで見ると、サンゴ礁の状態は場所によって大きく違う
環境省のモニタリングサイト1000サンゴ礁調査では、2003〜2022年度の長期データをもとに、各サイトのサンゴ被度の増減傾向が整理されています。サンゴ礁域では年あたり-1.51〜+3.53%、高緯度サンゴ群集域では年あたり-1.75〜0.00%の範囲で推移しており、増えている場所もあれば、減っている場所もあります。
サンゴ被度の増減傾向(2003〜2022年度)
出典:環境省・生物多様性センター「モニタリングサイト1000 サンゴ礁調査 2003-2022年度とりまとめ報告書(速報版)」
同じ報告では、2016年度の大規模白化後、宮古島周辺や石西礁湖では回復せず死亡した群体も多かったことが示されています。一方で、沖縄島周辺離島では増加傾向が強いサイトもありました。つまり、沖縄のサンゴは一様に悪いわけでも、一様に安心できるわけでもありません。だからこそ、遊ぶ側は「今あるサンゴをこれ以上傷つけない」行動が大切になります。
環境省が挙げるサンゴ礁の主な課題
サンゴ礁には、いくつかの課題があります。環境省のサンゴ礁保全ページでは、陸域からのごみや土砂の流出、オニヒトデなどの異常発生、海水温上昇による白化などが挙げられています。観光客がすべてを直接解決できるわけではありませんが、海に入る日の行動で減らせる負担はあります。
| 課題 | 海遊びで気をつけたいこと |
|---|---|
| ごみ・土砂の流出 | ごみを残さない。濁った水路やぬかるみから海へ汚れを持ち込まない。 |
| サンゴへの直接接触 | 立たない、踏まない、手で触らない。フィン先の位置を見る。 |
| 海水温上昇・白化 | できる範囲で海への負担を減らし、弱ったサンゴに触れない。 |
| 観光利用の集中 | ガイドの案内を聞き、混み合う場所では無理に近づかない。 |
出典:環境省「サンゴ礁生態系保全の意義」「サンゴ礁生態系保全行動計画2022-2030」
子どもに伝えやすい合言葉は「見て楽しむ」
子どもと海に入る時は、難しい説明よりも「サンゴは石じゃなくて、生きものの場所だよ」「触らずに見ようね」と伝える方が伝わりやすいです。浅い場所では足をつきたくなりますが、足元にサンゴや小さな生きものがいることがあります。
シュノーケリング中は、夢中になるほど手や足が動きやすくなります。フィンを大きく蹴りすぎない、立ち上がる前に足元を見る、疲れたら浮具につかまる。こうした小さな行動が、サンゴを傷つけないことにつながります。
サンゴに触れることは、人にとってもリスクがある
サンゴに触れない理由は、サンゴを守るためだけではありません。サンゴの表面や折れた部分は硬く鋭いことがあり、手や足が当たると擦り傷や切り傷になることがあります。浅瀬で転びそうになって手をつく、写真を撮ろうとして体を支える、フィンで蹴ってしまう。こうした一瞬の動きで、サンゴにも人にも負担が出ます。
沖縄周辺の海では、見た目がサンゴのようでも、刺胞を持つイラモ(ファイアコーラル類)のように、触れると強い痛みや皮膚の赤みにつながる生きものもあります。厳密には一般的な造礁サンゴとは分類が違いますが、海の中で見分けようとするのは難しいため、「サンゴっぽいもの、岩に付いている生きものには触らない」と覚えておくのが安全です。
また、海の中でできた小さな傷は、砂や海水で気づきにくいことがあります。遊び終わった後に赤み、痛み、腫れ、違和感が続く場合は、自己判断で放置せず医療機関に相談してください。BlueJoyでは、サンゴの近くで立たない、手をつかない、疲れたら浮具やボードにつかまる、という動きを先に伝えるようにしています。
日焼け対策は、塗る量だけでなく服でも考える
沖縄の夏は日差しが強く、日焼け対策は欠かせません。ただ、海に入る直前に日焼け止めを何度も厚く塗るより、ラッシュガード、帽子、サングラスなど「服で守る」準備を増やすと、肌にも海にもやさしい形にしやすくなります。
特に子どもは、水に入ったり上がったりを繰り返します。長袖ラッシュガードを着る、首元を守る、休憩中は日陰に戻る。これだけでも、塗り直しだけに頼らない日焼け対策になります。
日焼け止めがサンゴに与える影響も考える
日焼け止めの一部成分が、サンゴや海洋生物に影響する可能性は世界的に問題になっています。特にオキシベンゾン、オクチノキサートなどの紫外線吸収剤は、海外のサンゴ礁地域で規制対象になっている例があります。一方で、日焼け止めは人の肌を守るために大切なものなので、「塗らない」ではなく、海への流出を減らす工夫をするのが現実的です。
- 長袖ラッシュガード、帽子、日陰を使い、塗る面積を減らす
- 海に入る直前に厚塗りせず、出発前に時間をおいてなじませる
- スプレータイプは砂浜や風の中で広がりやすいので使い方に注意する
- 「リーフセーフ」という表示だけで判断せず、成分表示も見る
- 子どもや敏感肌の場合は、肌に合うことを優先しながら服で守る
BlueJoyでは、日焼け対策を我慢するのではなく、服装、休憩、日陰、塗り方を組み合わせて、家族の肌も沖縄の海も守る考え方をおすすめしています。
赤土や泥を海に持ち込まない
沖縄では、陸から海へ流れ込む土砂や濁りがサンゴ礁に影響することがあります。環境省の説明でも、陸域からの土砂流出により海中に日光が届きにくくなり、サンゴ礁が衰退する課題が挙げられています。
旅行者ができることは大きくありませんが、雨の後にぬかるみを歩いた靴や道具をそのまま海へ持ち込まない、浜辺にごみを残さない、排水や水路にものを流さない。こうした基本を守るだけでも、海への負担を増やさない行動になります。
写真を撮る時も、近づきすぎない
サンゴや魚を見つけると、近くで写真を撮りたくなります。でも、近づきすぎるとフィンや手が当たったり、浅い場所で体を支えるためにサンゴへ触れてしまったりすることがあります。
写真は少し離れて、広めに撮るくらいがちょうどいいです。子どもの写真も、サンゴの真上で止まらせるより、砂地や安全に浮ける場所で撮る方が、海にも家族にも無理がありません。
BlueJoyでは、海の見方も一緒に案内します
BlueJoyの海遊びでは、SUPやシュノーケリングを楽しむだけでなく、その日の海況、足元、魚やサンゴの見方もできるだけ分かりやすく伝えます。海が初めての子どもには、まず浅い場所で水に慣れること。慣れてきたら、触らずに見ること。家族のペースに合わせて案内します。
沖縄の海は、今日だけ楽しむ場所ではなく、次に来る家族にも残したい場所です。予約前に「子どもに海のマナーも教えたい」「サンゴを傷つけない遊び方を知りたい」と伝えてもらえれば、当日の案内にも反映できます。
参考にした公的・専門情報
- 環境省|サンゴ礁保全の取り組み
- 環境省|サンゴ礁生態系保全の意義
- 環境省|サンゴ礁生態系保全行動計画
- 環境省・生物多様性センター|モニタリングサイト1000 サンゴ礁調査 2003-2022年度とりまとめ報告書(速報版)
- 環境省・生物多様性センター|モニタリングサイト1000 サンゴ礁調査データファイル
- AP通信|サンゴ礁と日焼け止め成分に関する解説
ブログ一覧では、沖縄の海況、夏休み予約、子連れ海遊び、集合前の準備も紹介しています。旅行の目的に合わせて読んでみてください。
予約