2026年8月16日|沖縄の自然・サンゴ・海水温

沖縄のサンゴはなぜ白くなる?海水温と白化を親子で知る

沖縄の浅い海で、いつもより白っぽいサンゴを見かけることがあります。それは単なる「色違い」ではなく、サンゴが環境の変化から強いストレスを受けているサインかもしれません。白化の仕組みと、白くなった後に起こることを、公的な観測結果からやさしく見ていきます。

沖縄の浅い海で健康な色から白化した状態へ変化するサンゴ礁

白く見えるのは、骨格が透けるから

サンゴは動かないので植物のようにも見えますが、クラゲやイソギンチャクに近い動物です。その体内には「褐虫藻(かっちゅうそう)」と呼ばれる小さな藻類が共生し、光合成でつくった栄養の一部をサンゴへ渡しています。

高すぎる海水温などでこの関係が崩れ、褐虫藻がサンゴの体内から失われると、茶色や緑色に見えていた色が薄くなります。透明に近いサンゴの組織を通して白い石灰質の骨格が見える状態が、サンゴの白化です。

白化したサンゴは、すぐ死んでいるわけではない

白化した直後のサンゴは生きています。海水温などの環境が早めに落ち着き、褐虫藻が戻れば、色と状態を回復することがあります。ただし、白化が強かったり長く続いたりすると、栄養が不足し、病気や死亡の危険が高まります。

見え方 考えられる状態 旅行者の見方
全体や広い範囲が白い褐虫藻が失われた白化の可能性触らず、離れて観察する
枝先だけが白い成長部分は褐虫藻が少なく、白く見える場合がある見た目だけで白化と断定しない
表面が藻で覆われている組織が失われ、骨格に藻が付いている可能性採取や清掃をせず、そのままにする

枝先が白い例は沖縄美ら海水族館の解説を参照。サンゴの種類や光の当たり方でも色は異なるため、旅行者が外見だけで生死を判定することはできません。

2024年の石西礁湖では、夏に白化率84.0%

環境省は、石垣島と西表島の間に広がる石西礁湖の31地点で、毎年同じ方法によるモニタリングを続けています。2024年は、夏季の高水温期前にあたる6月の平均白化率が1.0%だったのに対し、9月には84.0%へ上がりました。12月にも65.5%が白化に関係する区分に入り、高水温の影響が長く残ったと報告されています。

2024年の調査 平均白化率 平均サンゴ被度 調査時期の位置づけ
6月1.0%19.1%夏の高水温期前
9月84.0%17.4%夏の高水温期
12月65.5%13.7%白化の収束時期

出典:環境省「令和6年度 石西礁湖サンゴ群集モニタリング調査業務報告書」。白化率は薄色・完全白化・白化後死亡を合計した調査上の指標です。石西礁湖31地点の結果であり、沖縄県全域や本部町のサンゴを表す数字ではありません。

「30℃なら必ず白化」ではない

白化は高水温だけでなく、低水温、強すぎる・弱すぎる光、塩分、濁りなど複数のストレスで起こります。大規模白化では、平年より高い水温が長く続くことが大きな要因です。

一方、すべての海で同じ温度を境に白化するわけではありません。NOAA(米国海洋大気庁)のサンゴ礁監視では、その場所で最も暑い月の平年水温を基準にし、それを約1℃上回る熱ストレスを白化の目安として監視します。つまり、「何℃か」だけでなく、その場所の平年よりどれほど高い状態が、どれほど続いたかを見る必要があります。

台風を「サンゴを冷やすもの」と期待するのは危険です。台風による海水のかき混ぜで水温が下がり、白化被害が抑えられた可能性を環境省が挙げた例はありますが、台風そのものは高波・暴風・濁りをもたらす重大な危険です。旅行中は保全効果を考える前に、人の安全と公式の避難情報を最優先にしてください。

海で白いサンゴを見つけたら

旅行者が白化を治すことはできませんが、弱っているサンゴへ別の負担を加えない行動は選べます。

サンゴを傷つけない泳ぎ方は、色のあるサンゴにも白化したサンゴにも共通です。詳しくは「沖縄の海をきれいに楽しむために」でも紹介しています。

旅行前に見られる情報

気象庁の「日本近海の海面水温」では、平年との差を含む広域の状況を確認できます。NOAA Coral Reef Watchでは、人工衛星によるサンゴ礁の熱ストレス監視が毎日更新されています。ただし、どちらも旅行者が特定の浅瀬の安全やサンゴの状態を断定するための情報ではありません。

海へ入るかどうかは、波、風、雷、潮の流れ、施設の営業・中止判断を別に確認し、現地ガイドや管理者の案内に従います。水温と服装の季節差は「沖縄の海水温は気温とどう違う?」も参考にしてください。

参考にした公的・専門情報

ブログ一覧では、サンゴの産卵、イノーの地形、海草藻場など、沖縄の海を親子で知る記事も紹介しています。

サンゴにやさしい距離で、沖縄の海を見てみよう

BlueJoyでは、本部町周辺の海況と参加する方の様子を見ながら、SUPやシュノーケリングをご案内します。観察してみたいもの、泳ぎへの不安、お子さまの年齢などをLINEでお知らせください。

LINEで予約相談