沖縄のウミガメ産卵期はいつ?砂浜で守りたい観察マナー
朝の砂浜に、大きなひれで掃いたような跡が海から続いていたら、ウミガメが夜に上陸したサインかもしれません。見つけた喜びをそのままに、近づきすぎず、足跡や巣を乱さない。沖縄の産卵時期と、旅先でできるやさしい見守り方を紹介します。
沖縄のウミガメは、いつ産卵する?
沖縄県の環境調査資料では、県内の主な産卵時期について、アカウミガメは5〜7月に多く、アオウミガメは6〜9月ごろと整理されています。沖縄美ら海水族館も、県内のアオウミガメは通常6〜8月の暖かい時期に産卵すると説明しています。
ただし、これは「この月なら必ず会える」という観光カレンダーではありません。産卵する浜や年、天候、個体によって幅があり、冬に珍しい産卵が確認された例もあります。ウミガメを探し回るより、産卵の可能性がある季節は砂浜全体を静かな場所として扱うのが基本です。
| 種類 | 沖縄県内の主な産卵時期 | 読み方 |
|---|---|---|
| アカウミガメ | 5〜7月に多い | 「多い時期」であり、毎年・全海岸で同じではありません。 |
| アオウミガメ | 6〜9月ごろ | 沖縄美ら海水族館は通常6〜8月と案内しています。 |
出典:沖縄県の環境調査資料(「レッドデータおきなわ」参照)および沖縄美ら海水族館。時期は目安で、遭遇を保証するものではありません。
産卵に必要なのは、暗く静かな砂浜
母ガメは夜に砂浜へ上がり、波をかぶりにくく、卵を埋められる深さの砂がある場所を選びます。環境省の「ウミガメ保護ハンドブック」では、砂浜と海浜植物の境目付近にある深さ30〜60cmほどの砂が、産卵場所として大切だと説明されています。
夜の人工光は、上陸した母ガメが産卵をやめて海へ戻る原因になり得ます。ふ化した子ガメも明るい方向へ引かれ、海と反対へ迷うことがあります。懐中電灯だけでなく、スマートフォンの画面、カメラのフラッシュ、車のヘッドライトも砂浜へ向けない配慮が必要です。
足跡を見つけた朝に、してよいこと・避けたいこと
ウミガメの足跡は、早朝の散歩で出会える自然の記録です。一方、足跡の先には卵が埋まっている可能性があります。巣の位置を自分で確かめようとせず、保護柵や案内板があれば必ずその外から見ましょう。
| 場面 | おすすめの行動 | 避けたい行動 |
|---|---|---|
| 朝、足跡を発見 | 離れた場所から観察し、管理者の柵や表示に従う | 足跡を横切る、巣らしい場所を掘る、砂を固める |
| 夜、母ガメを発見 | 距離を取り、地域の観察ルールや案内者に従う | 前へ回る、囲む、触る、照明やフラッシュを向ける |
| 子ガメを発見 | 進路を空け、静かに見守る | 持ち上げて海へ運ぶ、照らす、進路をふさぐ |
| 異常や危険を発見 | 海岸・施設の管理者や自治体へ場所と状況を伝える | 卵や個体を自己判断で動かす |
地域ごとのルールが最優先です。立入時間、観察会、撮影、車両乗り入れなどの決まりは浜ごとに異なります。現地の看板、管理者、ガイドの案内を確認してください。
なぜ「触らず見守る」が大切?
産卵を終えた母ガメは砂をならして巣を隠すため、見た目だけで卵の位置を正確に判断するのは困難です。環境省は、卵を掘り出して数え、埋め戻す調査でも許可が必要になると案内しています。善意でも、旅行者が卵や子ガメを動かすことは避けましょう。
子ガメが海へ進んでいる時も、手で運ぶより、光や人を遠ざけて進路を空けるのが基本です。けが、漂着、車道への迷走など緊急性がありそうな場合は、触る前に海岸の管理者や自治体へ連絡します。
砂浜の「何もない場所」も残しておこう
ウミガメに必要なのは海だけではありません。産卵できる砂の深さ、植物のある上部の浜、暗い夜、海まで続く障害物のない道がそろって初めて、命がつながります。
- 夜の砂浜へ強い光を向けない
- 車やバイクを砂浜へ乗り入れない
- ロープや保護柵の内側へ入らない
- ごみやレジャー用品を浜に残さない
- 穴や大きな砂山を作ったら、帰る前に平らに戻す
大きな特別活動をしなくても、来た時と同じ静かな砂浜へ戻すことが、旅行者にできる保全の一歩です。
海で泳ぐウミガメにも距離を
シュノーケリング中にウミガメを見かけた時も、追いかけたり、進路をふさいだり、触ったりしないことが大切です。呼吸のため水面へ上がる動きを邪魔せず、ガイドの指示に従って距離を保ちます。会えなかったとしても、サンゴ礁や海草藻場、魚をゆっくり観察する時間そのものが沖縄の海の魅力です。
参考にした公的・専門情報
- 沖縄県|環境調査資料・海域動物(ウミガメ類の産卵時期と砂浜環境)
- 沖縄美ら海水族館|希少生物の保護・放流について
- 環境省|ウミガメ保護ハンドブック
- 環境省|自然公園における動物の捕獲等に関するFAQ
- 環境省・屋久島世界遺産センター|ウミガメ観察ルール
ブログ一覧では、サンゴ礁、海草藻場、海岸漂着ごみなど、沖縄の海を知って楽しむ記事も紹介しています。
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